入院体験記 | 医療法人 青峰会 くじらホスピタル

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入院体験記

くじらホスピタルでは、患者様の権利・利益保護のために、患者様の個人情報を適切に管理しています。
入院治療について広くご理解いただけるよう、書籍やホームページで紹介するケースは、
患者様に了解をいただいた上で、医師がうかがったお話をもとに構成しています。
その際、患者様個人が特定されないように内容を調整してご紹介しています。

家族の会に参加して 

 私どもの子供は友達関係のトラブルから2年生の時から学校(私立高校)に行けなくなり、拒食症、摂食障害となり3年間以上家族共々悩み苦しみました。あんなによい子だった子供がくるしんでいる姿を見て家族共々悩んで苦しみました。子供には暴言をあびせられ、暴力をふるわれて、わがまま娘だとか、それこそ「悪い霊がとりついているのではないのか」などといろんな事にふりまわされてきました。何度かいろんな病院にも行き、大量のお薬を投与され、毎日何度も食べ吐きの繰り返しをして体重も極端に減少して、当然生理も止まり、一時は廃人のような状態でした。
 3年ぐらいこのような状態が続きましたでしょうか。本人含め家族全員がへとへとになりました。私は自営(設計事務所を自宅で営業)でしたので、当然経済的にも苦しい時が続きました。ある人の薦めで、別に事務所借りて私自身もそこに寝泊まりするようになりましたかそれでも状況は変わりませんでした。そのころ娘はモデルになりたくてレッスンなどに通っており、また、テレビ等のエキストラなどにも出演してそのたびに送り迎えなどをして娘に関わっておりました。じつは、雨が降れば僕が駅や学校まで迎えに行っておりました。いま思えばそんなことを小さい頃から続けていた事で、それが子供から見たら当たり前の状況だった訳です。
 御病院をインターネットで知った子供と母親から云われ上村先生の診察を受けさせて頂きました。最初は子供と母親だけの診察だったと記憶しております。その後入院となり私も一緒に上村先生とお会いさせていただきました。そのときに、先生から云われた言葉があります。「そんなことをやっているとお父さんがうつになってしまいますよ。」それまでも私の妻からは、僕の性格から来る行動に対しては何度か云われておりましたが、それが娘の病気の要因になっている事を指摘されました。ですがまだなんにも判らないままに先生の薦めで家族の会に出席させていただくようになりました。
 最初の家族の会の後に先生に尋ねたら、「10回ぐらい通ってみたらどうですか」と云われ、それから連続して妻と一緒に出席させていただきました。それまでは、妻と二人で出かける事などはありませんでした。いつも家族4人での行動でした。最初の頃の家族の会は土曜日の午後二時頃からの開始だったと記憶しております。当然終われば夕方になりますので妻と二人で夕食を食べる事になります。そのころのメモを読み返すと帰りにどこどこに行ったとかが書いてあります。今まで無かった夫婦二人での飲食をやるようになり、これがなかなか心地よいものでした。また妻も望んでいたことでした。食事をしお酒を飲んでいるときに娘の病気の事や、今まで言えなかった僕への不満なども話すようになりました。そんなことを繰り返していくうちに僕自身(父親)の家族への関わり方が娘の病気に影響している事を思うようになってきました。家族の会に出席しいろんな家族の悩みを(状況・関わり方)を聞き、それに対する先生のアドバイスをお聞きしてやっと判ってきた訳です。
 それからです。夫婦での話し合いも妻が望んでいたような話し合いになっていきました。まだまだ娘の状況はあまり変わりませんでしたが、妻も食べ吐きを繰り返す娘に対して「美味しく食べて楽しく吐きましょう!」とにこにこしながら云うようになりました。先生がいつも云うように「本人達はいつも罪悪感を持っているよ」との言葉どおり・・・ それぐらいからだと思いますが徐々に娘に変化のきざしが出てまいりました。
 ほどなく、娘自信から一人暮らしをするとの話があり突然うちを出て行きました。夜の仕事でした。彼女なりに考えた生きていくための手段でした。一人暮らしを始めてからもいろんな事がありました。そのたびに親はおろおろさせられましたが、「これでよいのだ、口出しはしないぞ!」と自分に言い聞かせて見守ってきました。娘はその一人暮らし(夜の仕事)をはじめて、いろんな人と知り合え、そこから吸収した事が子供の成長を助けてくれました。僕は子供が転ぶ前から掃き掃除をして石ころ一つ落ちてない様にしてきた事にやっと気づかされました。
 娘は現在上村先生を含めいろんな方のおかげですっかり治り、試行錯誤をしながら目的を見つけ家族みんなで一緒に生活しております。まだまだわがままな性格はそのままですが、彼女なりに一喜一憂しながらもがいております。僕は、「これでいいんだ! これでいいんだ!」と自分に言い聞かせ、娘の自立に邪魔をし大きな影響してきた愚かだった自分をまた元に戻さないように今でも自分自身の為に、先生に感謝しながら家族の会に出席させていただいております。
 ここにきて、同じような悩みを抱えて泣きながら家族の会に出席なされる方が増えてまいりました。毎回家族の会に出席させて頂いて私どもと同じように悩んでいる仲間達がたくさんいることに驚き、しかし家族の会への出席が多くくなってきている事にある種の喜びを感じています。また、ご夫婦での出席が多くなってきた事に、この病気の奥深さと理解度が高まってきた事のあらわれと僕なりに認識しております。たぶん上村先生や事務局の方々も同じ思いでいられることだと思います。一年前ぐらいから、僕たち夫婦では卒業の時期を探ってまいりました。家族の会への出席して良くなられた方に、「そろそろバトンンタッチをしたら良いのかな」と思って出席してまいりました。しかし、家族の会で僕が話しているように僕自身が今でもこの会に出席をして自分自身のために参加させていただいている事に必要性をかんじてきました。毎回出席してみて、今でも僕たちと同じ思いをし悩んで苦しんでいる方々と接し、自分たちの苦しんできた状況を思い出して一緒に涙する事もしばしばあります。先生がいつもおっしゃっていられるとおり、10回ぐらい参加してみてやっとこの種(摂食障害)の病気になぜなったかが判ってくるのではないでしょうか。そこからスタートで、子供達に関わってきた親達が自分自身で反省し、今後の接し方を考えて行かなければいけないのでしょうね。
 連続で参加してみて思った事があります。最初は、なんで子供達がこうなったか判らないので、「いつまでこの状態が続くのか、子供の将来が心配だ。」「どう対処したら良いのかが判らない。」などと、いま状況と将来についての不安についてお話されている方が多いと思いますね。それが何度か出席する事によって、親たちが変化して行くことに驚いています。特に将来の不安については云わなくなりますよね。それと、御病院の患者達への取り組み方も病人とは思わずに一人の人間として接してくださり、鉄格子のない快適な環境の中で人間らしさを取り戻すため、美味しそうな食事と快適な居住環境の中で誰にも干渉されなく安心して過ごせる事の喜びをとりもどさせてくれるのだと思っております。 
 管理する病院ではなく、安心して快適に過ごせる環境これが本来家庭の中でも当たり前のようになって行かなければいけないのに、子供達を親たちが管理し方向性まで決めてしまっていたのでしょうね。現在はおかげさまでうちの子供もほぼ完治の状態ですが、娘が「実は幼稚園児のころからつらかったのだ」と話すようになりました。そんなときから苦しめていたことに親として反省し、申し訳なく思っております。うちの子供は現在夜の仕事(キャバクラ)に勤めています。親としてはとても複雑な思いでおりますが、これもあの子が自分で考えて(借金の返済と目的の為にお金を貯める事)いる事のあらわれと思い、何も言わず干渉せずにおります。
 そんな訳で、今まで子供を苦しませていた自分をまた元に戻らせたく無く家族の会に出席させていただいている訳です。

家族の会に参加して 

 家族の会に出席するようになり、二年以上二十回以上夫婦で欠かさず参加させていただいています。
 次女が十七歳の時、友達関係から不登校になり、過呼吸、パニック障害、うつ病などの症状が現れ、摂食障害で毎日毎日苦しみました。他の病院に通院、入院したり、カウンセリングを受けたりと二年程続けましたが、なかなかトンネルから抜け出すことができずにいました。そんな時にくじらホスピタルのことを知り、上村先生の診察を受けることになり、娘は三週間の入院をしました。
 娘が入院したことよりも、先生に主人が言われた「お父さん、それではあなたがうつになりますよ。」という一言と、家族の会への出席を勧めていただいたことで、私たち家族に光が戻ってきました。それまでは、娘自身の病気であり、本人の問題、本人の性格や考え方を直していかなければいけないと思い、親としてアドバイスをしたり、教えたり見守ったりと、家族で一生懸命に娘に接してきたつもりでした。でもそれは、娘の自立心を奪い、すべて私たち親の物差しで考えを押しつけていたということ。自分で考え行動することを押しつぶしてしまっていたということを、出席回数を重ねるごとに、こころから理解できるようになってきたように思います。親がいつまでも子供に対して過保護・過干渉では子供を自立のできない子にしてしまう。その結果、子供は苦しみ、知らず知らずのうちに摂食障害などの心の病気にかかってしまい、もがき苦しむようになる。それは本人のせいではなく、私たち親がそうしてきてしまったということを勉強させていただきました。
 これは、二・三回の出席だけでは理解できるものではありません。頭では理解したつもりになるかもしれません。でもそれでは絶対に行動に移すことはむずかしいことだと思います。両親で出席して、同じ病気の子供の様子を良く知り、同じ悩み・苦しみを持つ親たちの話を聞き先生のアドバイスを聞く。その繰り返しですが、毎回毎回おもしろいくらいに自分たちの行動や言動が理解でき、どう対応していったら良い方向にいくのか見えてきます。夫婦で出席することにより、良い事も悪い事も言い合い、二人で改善していくことができる。だからこそ、夫婦で回数を重ねて出席されることが望ましいのではないかと思っています。
 今娘は二十一才。薬は一年以上飲んでいません。摂食障害の症状はもうありません。パニックになることもリストカットすることも暴れることも、ほとんどなくなりました。
 いつまで地獄のような生活が続くのだろうと暗い日々を送っていたのはたったの四年程でした。まだ完全に完治してはいないと思いますが、上村先生に出会えて、家族の会に参加させていただいていることに、心から感謝しております。

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